事例紹介(適合性原則違反・説明義務違反) | 弁護士による投資被害サポート

事例紹介

事例1. 適合性原則違反

適合性原則とはどのような原則ですか。また、適合性原則違反が認められるのはどのような場合ですか。

適合性原則とは、顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当とみられる勧誘を行ってはならないという原則のことを言います。

つまり、「適合性原則」とは、金融商品について、一般投資家に対して当該金融商品の購入を勧誘する者は、被勧誘者が、勧誘しようとしている金融商品の性質に照らして十分な知識、情報収集・分析、判断能力、経験、財産を有しているか、勧誘しようとしている金融商品が被勧誘者の投資の目的に沿ったものかを調査した上で、これが十分でない場合や、被勧誘者の投資の目的とは異なる金融商品を勧誘することとなる場合には、勧誘自体をしてはならないというものです。

この「適合性原則」については、最高裁判所判決平成17年7月14日(民集59巻6号1323頁)が「顧客の意向と実情に反して、明らかに過大な危険を伴う取引を積極的に勧誘するなど、適合性の原則から著しく逸脱した証券取引の勧誘をしてこれを行わせたときは、当該行為は不法行為上も違法となると解するのが相当である。」と判示し、適合性原則違反が私法上も違法となり不法行為となることを指摘した上で、「顧客の適合性を判断するに当たっては」、「具体的な商品特性を踏まえて、これとの相関関係において、顧客の投資経験、証券取引の知識、投資意向、財産状態等の諸要素を総合的に考慮する必要があるというべきである。」と判示して、適合性原則違反の判断方法について言及しております。

実際に問題が生じたときは、この基準に照らして具体的な事案を判断することになります。

適合性原則違反であるとして損害賠償請求等が認められた事例

判例における判断基準(最高裁判所平成17年7月14日判決)

「顧客の適合性を判断するにあたっては、①具体的な商品特性を踏まえて、これとの相関関係において、②顧客の投資経験、③証券取引の知識、④投資意向、⑤財産状態等の諸要素を総合的に考慮する必要がある。」とされておりますので、これら諸要素を踏まえて判断する必要があります。 なお、以下の事例のうち2(1)及び同(2)においては、いずれも70歳を超える方が原告となっておりますが、1の事例(原告は本件取引開始当時39歳)のように高齢でなくても適合性原則違反が認められた事例もあります。

1 株式(信用取引)

信用取引を行う適合性自体を有する者であっても、実際に個々の取引を行う上では、取引の銘柄、回数、その投資意向との整合性等のいかんによっては、的確に取引の動向を把握することができず、また、投資意向に反するものとして、個々の取引を行う上での適合性が否定されるとともに過当取引として、取引勧誘の適法性が否定させる余地はあるとした上で、取引回数、保有期間、損失額に占める手数料の割合、回転率のほか、安定重視という投資意向にも沿わない取引が少なからず行われていること、原告が被告担当者のいいなりになっていた実態等に照らし、本件取引は全体として適合性の原則に違反しているとして原告の請求を認めました(大阪地方裁判所平成25年1月11日判決)。

2 投資信託

  • (1)原告の年齢が76歳であるほか、多額の継続的収入があるような状況ではなく、保有する金融資産等を完全な余裕資金とみるのは疑問であり、取り崩して生活資金や病気の治療費等として利用する可能性のあるものであったことを前提として、購入した商品が投資信託としての各種リスクのほか、為替リスクなども抱えた商品であってかなりのリスクを含むものであり、適合性原則に違反するとして原告の請求を認めました(横浜地方裁判所平成24年1月25日判決)。
  • (2)投資経験及び知識がほとんどなく、慎重な投資意向を有する79歳という高齢で一人暮らしの原告に対し、相当のリスクがあり、理解が困難な本件投資信託の購入を勧誘し、安定した資産を投資信託に集中して投資させたものであり、原告の意向と実情に反し、過大な危険を伴う取引を勧誘したものである等、適合性の原則から著しく逸脱した勧誘であるとして原告の請求を認めました(大阪地方裁判所平成22年8月26日判決)。

3 仕組み債

原告に対する本件債券の勧誘は、投資経験のほとんどなかった原告が多額の現金を含む相続をした後、投資についての知識をほとんど持たず積極的な投資意向もない原告に対し、原告の投資経験についての慎重な調査をせず、また、原告の投資意向に反し、堅実な投資であれば行ってもよいという程度の意向しか有していなかった原告に対して、明らかに過大な危険を伴う取引を積極的かつ軽率に誘導したものであり、適合性の原則から著しく逸脱した勧誘であると言わざるを得ないとして原告の請求を認めました(東京地方裁判所平成22年9月30日判決)。

事例2. 説明義務違反

投資取引被害に関する事案で、勧誘者側に求められる説明義務の内容等について教えてください。

投資家は、取引の仕組みやリスクなどについて十分な情報を得た上でなければ、適切な投資判断を行うことができませんが、これら投資判断に必要かつ十分な情報を投資家の中でも個人投資家が独自の努力によって収集することは極めて困難なのが実情です。

一方、投資を勧誘・販売する業者は、専門的知識経験と情報を有していると言えますので、そのような業者との間で取引を行う個人投資家として、業者から取引に関する情報提供を期待し、業者の提供する情報を信頼できるものとして、投資判断の資料とすることは当然といえます。

ところで、説明という行為が投資家の理解のために行われる以上、説明義務とは相手の知識経験に即した理解力に応じて行われることは当然で、投資家の理解を得ることができないようでは説明とはいえないのであって、業者の説明義務は投資家に理解させる義務を含んでいるといえます(説明義務は「説明」の義務であって、「告知義務」ではないのです。)。

業者の説明義務違反が問題となる事案は多く、事実、説明義務違反により業者側に多額の損害賠償を認めた裁判例も多くあります。

なお、説明義務の範囲や程度は、事案によって様々であり、一般化することは困難ですが、商品の特性や取引の仕組み、リスクの程度、手数料の有無等については、説明が不可欠な事項といえるかと思います。

事例3. 過当取引

過当取引について教えてください。
また、取引が過当取引だから違法であるという判断はどのように行うのですか。その場合に考慮するべき事情としてはどのようなものがあるのですか。

1 過当取引の概要及びその違法性
過当取引とは、顧客が証券会社を信頼していることに乗じ、主に手数料稼ぎを目的として、証券会社等が金額・回数において過当な取引を行うことを言います。
過当取引の違法性の実質的根拠については、証券会社等は、信義則上、顧客の投資経験・知識・資産等の属性及び投資目的に照らし不適切に多数量かつ頻繁な投資勧誘をして顧客の利益に優先して自己の利益を追求してはならず、また、顧客に対しては過度な投資リスク及び売買委託手数料など負担の拡大を回避させるべき注意義務(誠実公正義務)を負っていることに求められます。
そして、その誠実公正義務に反して、証券会社等が自己の利益を優先して過大な手数料を取得すること、すなわち過当取引をすることが違法となるとされているのです。
2 違法性の判断基準とその考慮要素
過当取引に該当するか否かを判断するには、一般に、(1)取引の過当性、(2)口座支配性、(3)故意・悪意性の3要件を中心として総合的に検討されます。
この3要件の内容及び考慮される要素は次のとおりです。
(1)取引の過当性
取引の過当性の要件とは、取引の数量・頻度が顧客の投資知識・経験や投資目的などに照らして過当であることを言います。過当性の考慮要素としては、回転率、手数料比率、別顧客口座との比較、売買回数などが挙げられます。
(2)口座支配性
口座支配性の要件とは、証券会社が顧客の口座に対して支配し、主導的影響力を行使したことを言います。口座支配性の考慮要素としては、顧客の証券投資についての知識、投資経験、顧客が証券会社においた信認の程度、証券会社の推奨取引率の程度などが挙げられます。
(3)故意・悪意性
故意・悪意性の要件とは、証券会社等が顧客の信用に乗じて自己の利益を図ったことを言います。

より多くの皆様をサポートできるよう初回相談は無料でお聞きしております。まずはお気軽にお問合せ下さい。

投資被害に関するお悩みはお気軽にご相談ください。

初回無料相談受付中です

06-4709-5800

【営業時間】平日9:00~18:00 プロシード法律事務所

お問い合わせフォームはこちら

ご相談はこちら 弁護士による投資被害サポート

06-4709-5800

  • 【営業時間】平日9:00~18:00
  • 【事務局】プロシード法律事務所
大阪市北区西天満1-7-4
協和中之島ビル5階

アクセスはこちら

当サイトは、株式(未公開株)・投資信託・仕組み債・デリバティブやFX等損失の証券・金融商品などに関する投資被害などで困っている方々をサポートします。 大阪など関西エリアで証券・金融商品などの投資被害で困っている皆様の支援のお手伝いが出来ればと思います。お気軽に無料相談をご利用ください。

このページのトップへ